マレーシア向けにFACEBOOKページの広告を出してみました

弊社の小売り事業は、もともとタオバオの店舗をベースにしています。
タオバオが一定規模になると、弊社の店長に、阿里旺旺ではなくWechatなどで直接問い合わせ・交渉になるケースも増え、基本的にはタオバオを軸にマーケティングし、その他のチャネルも活用してコンバージョンを獲得するような流れになっています。

2010年ごろは、独自ドメインの越境ECサイトのお手伝いもしていましたが、中国向けについてはかなり苦労しました。そして、今では、中国の個人消費者向けのWebマーケティングについては、以下のような特殊な環境のために難しいというのが定説になっていると思われます。

  • もちろんAdwordsもFacebookも使えない(まあ、壁越えして見ている人もいますが、一般消費者ではないですね)
  • 百度などのリスティング広告は、金額が高いわりにコンバージョン率が低く、ECには向かない(もちろん商材にもよりますが)
  • SNSの影響力が強いため、KOL(Key Opinion Leader)を活用するほうが効率的
  • すでに認知されている商品なら、タオバオなどのECプラットフォーム上で露出を高めたほうがコンバージョンする私は、現在、特に健康食品や化粧品の世界において、多くの中国人と日本の中小メーカーが手掛けている中国マーケティングのうちの多くは、ネットワークビジネス、MLMに近いものと捉えています。
  • KOLが販売金額による報酬になると、実質MLMの1レイヤー
  • 認知度が上がってから他社に同じ商品を販売され、売上を持っていかれるのを避けるため、OEM/ODMを好むまあ、Webのマス広告でもバズマーケティングでも、怪しいものは山ほどある時代ですし。詐欺やネズミ講でなければ別にとやかく言うつもりはないです。
    身近な人の言葉、より自分に近い人の言葉を信じる傾向が強い中国、マス広告の費用がやたら高い中国ですから、MLM的なマーケティングはやっぱり合っているのでしょう。

 

さて、ここからが本日のテーマです。

弊社がマレーシア向けに商品販売を始めるにあたり、何から着手しようか、いろいろ悩みました。

弊社のマレーシア人スタッフは、「Facebookがいい」というのですが、私は古い人間なので、「決済機能の問題もあるし、ランディングサイトもない状態でねぇ。。。」と思ってしまったわけです。

現地モールへの出店とかも考えたのですが、まあ、まずはすぐにできることとして、他言語のECサイトを準備しました。
https://weiyi.jp/shop/

なんとjpドメイン。。。たまたま手元にあったので、うっかりccTLDを使ったわけですが、さすがにこれはgTLDを使うべきだったかと反省。SEOできないわけではないので。。。
まあ、ある程度目処が着いたらサーバーを移そうと思うので、そのときに切り替えますかね。。。

まあ、とりあえずランディングサイトは準備できたので、こちらのFacebookページについて、広告を出し始めました。
https://www.facebook.com/jiojapan/

東南アジアについては、Adwordsも使えるけど、Facebook広告が費用対効果が良いという話はよくその辺に転がっているので、Facebook広告自体は当然の選択肢ですね。

 

さて、実際にFacebook広告を出してみて、ようやく、スタッフが「Facebookがいい」と言っていた意味が分かりました。

とにかく、多くの人がどんどんコメントしていきます。ただし、「pm」とだけ。もちろん「Private Message」という意味なのですが、実際のところの意味は、「とりあえず価格を教えて」ですね。
最近は、しっかり「price」とか「价格」とか書いてくる人も増えてきましたが。

そして、意外とみんなクレジットカードを使わない。
「持っていない」という人が多いらしいですが、マレーシアのUOBで銀行口座開設すればMasterのデビットカードはついてくるようですし、普及率より、現金文化の問題ではないかと思います。

そうすると、Facebookでチャットをすませ、わざわざ弊社のECサイトにも行かなくなります。
結果、

  • Facebookでチャット
  • 商品、数量、価格を交渉
  • 銀行口座に現金振り込み
  • 商品発送

という、決済方法以外は、中国向け「代购」と正に同じ状況が発生しています。

広告については、弊社スタッフとの相性を考慮し、最初ターゲットはクアラルンプールとジョホール州の20~40歳女性。結果として、中華系の方からの問い合わせが多いので、そのあたりの影響もあるかもしれません。

FACEBOOKページについての広告は、「いいね」1件獲得が5~10円、そのうちのかなりの割合でチャットが発生しており、商品購入に結びついているので、「東南アジアはFACEBOOK広告が良い」というのは、しっかり体感できました。

ただ、これだけ問い合わせが多いと、スタッフの余力も考慮しながら広告を出さないといけませんね。

 

なお、Adwordsや、Facebookでのウェブサイトの宣伝、Facebookの高校ページの宣伝などもいろいろ試しておりますので、このあたりの状況については、また今後、触れていきたいと思います。

マレーシアからの問い合わせの傾向、商品などもまた後日、まとめていきたいと思います。

物流センターと消防法

久々にブログを再開しようと思い、最初に目に飛び込んできたニュースが、アスクルの火災。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170217/k10010879791000.html

会社員時代、私も場所の選定から建物のレイアウト設計(もちろん建物の設計自体は建築士の先生、建築したのはゼネコンですが)などもやってきたわけですが。。。

とにかく悩まされるのが、建築基準法やら消防法やら。

最初は、とりあえず6000㎡未満だったので、とりあえず消火栓で。。。
増築時に、「あっ、スプリンクラー設置必須なの???」
防火区画やら防火シャッター。。。

メザニン入れたいけど、無理か。。。

 

まあ、とにかく建築費を抑えた上で、こちらが理想とする動線を確保しようとすると、こういう各種法令が邪魔で、ともするとループホール探しをしたくなるものです。

しかも、近所の大企業の物流センターを見学に行くと、防火区画も結構あいまいだし、やたら大きいのにスプリンクラーが入っていなかったり。。。

誘致してもらって雇用を生み出せば、消防だってこんなに甘くなるのか。。。羨ましい。。。なんて思ったものです。
いまでも、古い倉庫だと、面積のほぼすべてをメザニンで覆っていて、しかもメザニンがメッシュではない倉庫なんかに出くわしたりします。

物流関係者であれば、「これ、二度とこんなのできないので、うかつに中の改修できないですねぇ」という会話になります。

 

 

でも、必要だから消防法がどんどん厳しくなっていくわけですよね。

今回なぜこんなに延焼し、鎮火できなかったのかは、またこれから明らかになるでしょうが、物流にせよ中国ビジネスにせよ、ループホールを追うのはいかんなぁと、自戒を込めて。

 

https://news.biglobe.ne.jp/it/0217/imn_170217_1210310079.html

https://www.askul.co.jp/csr/special/logipark.html

それにしても、これだけすぐに受注再開できるのは、確かに強靭なBCPですね。。。
普段からいつでも在庫引当の倉庫を切り替えられるようにシステムを組んでいたのでしょうが。。。(私が会社員時代に携わってきたところも、規模は小さいですが、随時、在庫を引き当てる倉庫を切り替えたり、受注を分割したりできるようにしていましたので。。。問題は、そのアルゴリズムを理解しているスタッフが少なく、マニュアルも完備されていなかったことでしたが)